入居時から始める敷金精算対策。原状回復費用を抑えるためのコツと最低限の知識。 

借主向け

アパートを退去する時の原状回復費用を出来るだけ抑えるには入居してからすぐに対策を講じることが大切です。何も知らずに敷金精算を迎えるのではなく、予め借主負担で請求されそうなことを把握し留意して部屋を使うことをおすすめします。

アパートを解約するほとんどの方が退去時の原状回復費用請求に頭を悩ませます。

今、アパートを借りたばかりで新生活を送っているみなさんはまだ退去の時のことを考えもしないと思います。

しかし退去時に思わぬ原状回復工事費用を請求されない為により良い部屋の使い方を覚えておきましょう。

ここでは不動産業界にいた実際の経験から、原状回復費用で借主さんが請求されがちな代表的なものにクローズアップしてアドバイスさせていただきます。

お部屋を引き渡されたらまず最初にやること

まずはじめに伝えておきたいのは入居時の部屋の状態を写真で記録しておくことです。

例え新築・未入居物件でも床や壁に傷や汚れがある場合があります。

例え誰も入居したことのない部屋であっても建築業者さんや不動産屋さんが出入りしていたのでその際に気付かぬ汚れや傷を付けてしまうことは実はよくある話。

それに気付かずその部屋で生活を始め、数年後に退去するときに元々あったはずの傷や汚れの原状回復工事費用を請求されることになったら嫌ですよね。

そうならないよう、通常のお部屋はもちろん例え新築のお部屋を借りた時でも入居前の証拠写真はきちんと撮影しておきましょう。

入居時チェックリストと写真で証拠を残しておく

多くの場合、契約をした不動産屋さんに入居時の状態(予めあった傷や汚れ)を記載したチェック表を渡されると思います。

そのチェック表をもとに実際に自分でも確認してみましょう。記載漏れのある傷や汚れがある場合、それを不動産屋さんに写真とともに提出しておきます。

このチェック表はあなたがお部屋を解約して退去する時の原状回復工事の打合せでとても重要な書類になるものです。

チェック表と写真は必ず自分用に写しや控えをとって保管しておくことをおすすめします。

「6年以上住めばクロスを張り替えなくてもいい」ということではない

原状回復工事の請求で最も多いのはクロス(壁紙)の張替えです。

通常使用による経年劣化や色褪せ、ちょっと拭き掃除をすれば綺麗になりそうな軽微な汚れならばクロス張替えの請求をされることはありませんが正直なところそれも不動産屋さんの担当者のさじ加減によります。

不動産屋さんからしてみればクロスが綺麗な方が次の入居者を募集しやすいから大家さん負担でも退去する方の負担でもどちらでもいいから綺麗に張替えてほしいのが本音でしょう。

大家さんに相談する前にまず原状回復工事であわよくば退去する人の負担でクロスを張替えてくれないものかと考えています。

国土交通省のガイドラインやその他指針でクロスの価値は6年と言われているから6年以上住めばクロスをいくら汚そうが傷付けようが張替え請求はされないだろうと思うのは間違いです。

ガイドラインはあくまでガイドラインだしそれにそれは通常使用による汚れや損耗に対してあり、借主の故意・過失が原因のものは何年住んでいようが原状回復費用を請求されます。

原状回復で一番揉めるのはクロス張替え

クロスに関しては普通に生活していても何らかの傷や汚れは必ず付く為、退去時の敷金精算の打合せでは貸主負担なのか借主負担なのか結構揉めます。

その場合、たいがいの大家さんは自己負担でクロス張替え費用をもってくれるのですがやはり中には何が何でも退去者により多くの割合負担を退去者に迫る大家さんがいるのも事実。

そのような背景の中、私が入居者さんにアドバイスしておきたいのが部屋内ではたばこを絶対に吸わないことです。

タバコのヤニでクロスが汚れたり黄ばんだりしていると「 通常使用」と主張出来ません。

だから部屋で喫煙していた形跡があると原状回復におけるクロスの張替え費用の負担割合で劣勢になることは間違いないです。

不動産屋さんも人間なので敷金精算は早めに終わらせたいところ。喫煙者の場合はクロスの張替え費用を退去者に強く請求する傾向があります。

なので退去時にクロス張替えについて劣勢になりたくないのなら部屋でたばこは絶対に吸わないことです。

いずれにしてもたばこは百害あって一利なし。

それにアパートでたばこの失火が原因で火災を起こしてしまうと他の入居者にも被害が広がります。これを機会に禁煙を検討するのもいいのではないでしょうか。

家具を置いた跡やへこみは原状回復費用を請求される?

基本的に家具を置いた跡はへこみは通常損耗とされているのでその原状回復費用は借主には請求されないことになっています。

しかし物は言いよう、言われようです。

家具の移動や不注意で家具を引きずったりして出来た床の傷は借主負担となってしまうんです。

これもちょっとややこしいですけど、でも一応頭の中に入れて生活するといいでしょう。

基本的に家具を置くことは構わないけど移動するときは慎重に傷付けぬよう細心の注意を払って行う事がベストです。

冷蔵庫は動かすことはあまりないけどソファーやテーブルなどは脚の形状によっては床を傷付けやすいものになっています。

通常使用で認められればいいですが、「これは不注意で傷付けてしまいましたね」と言われない為には家具の脚を何かで保護して床が傷付かないようにしておくことをおすすめします。

フローリング等、床には何か敷いておく

アパートで使われている建材は基本的に量産型の、言ってみれば安物です。

なので基本的には傷付きやすいし凹みやすい・・だから入居者さんは大変だなって思います。

そんなに重くない物を床に落としただけなのに落下部分が凹んでしまうことなんて結構あると思うんですよね。

通常損耗で認められればいいですけどそうじゃない場合、原状回復工事費用を請求されてしまう場合もあり得ます。

特にそそっかしい性格の方、またはお子様のいる場合は床の上にマットや厚みのある敷物を敷いておくと安心です。

カビや結露が原因の傷みや汚れは請求される?

カビや結露が原因で傷んだり汚れてしまった部分についての原状回復費用は借主負担とされています。

「建物の構造の問題じゃないの?」と思う方もいらっしゃると思いますが基本的な考えではカビや結露は部屋内の湿気の問題なのです。

お部屋を引き渡した以上、お部屋の換気は借主さんである入居者しか出来ないからですね。

借主さんにはお部屋を使う以上は善管注意義務(善良なる管理者としての注意義務)が生じます。

部屋の換気を行うことは善管注意義務にあたるとも言えます。

日本はただでさえ湿気が高い国で、特に梅雨時期は窓付近に結露が発生し油断するとすぐにカビが発生します。

初めて一人暮らしを始めた方はカビに要注意

日中は仕事に出かけていて帰宅するのはいつも夜間だという方は要注意です。

換気など湿気対策を行わないとすぐに湿気のあるところにはカビが発生します。

実家に居た時はカビなんて発生しなかったのに何で?物件の構造が悪いんじゃないの?と思ってしまう方も少なくありません。

しかし考えてみてください、実家に居る時はご家族の方が居る時間帯もあったので自然と換気されていたのです。

仕事やお出かけする時は梅雨時期だけでもいいので換気扇を付けておくとか、除湿剤を各所に備えるなどの湿気や換気の対策を行ってください。

ちなみにRC造、SRC造といった鉄筋/鉄骨コンクリート造のマンションは通年湿気っぽいので一年中除湿剤を置いても構わないです。

通常のクリーニングで落ちないひどい油汚れは別途費用を請求される

通常の室内クリーニングでは落ちないひどい油汚れは別途料金を請求される場合があります。

キッチン廻りの壁・ガスコンロ・換気扇などがそうです。

普通に生活していたら油物の料理もするし油汚れが付着するのは当然なのですが、あまりにもひどいと判断されたら別です。

通常やるべき一般的な掃除を定期的にやっていなかったことが原因でこびりついた油汚れなどは別途費用請求されることがあります。

中でも換気扇はその油汚れの付き方で普段から掃除をしていたかどうかが分かります。

初めて一人暮らしをする方はこびりついた油汚れを掃除するのは大変かと思いますので普段からまめに掃除をして綺麗な状態を保つことが大切です。

ガイドラインはあくまで指針

賃貸物件の原状回復については国土交通省が 「 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン 」 というものを出しておりますがリアル現場ではなかなかガイドライン通りにはいかない例もまだまだあります。

ガイドラインはあくまで指針でありもちろん法的拘束力は全くないので原状回復における敷金精算時の参考モデルとして利用されているといった方がいいかもしれません。

退去時の原状回復費用を抑える為に大切なことは、まず第一に入居時の証拠(入居時チェック表や写真)を不動産屋さんや大家さんと共有しておくこと。

次に借りている部屋の管理責任者は自分だという意識をもって部屋を使うことです。

この意識があるかないかで部屋の状態が全く違ってきます。

今、この時代に原状回復時に無理な費用請求をしてくる不動産屋さんは少ないと思いますがそういう不動産屋さんに当たってしまった場合でも対抗出来るよう自分でも対策をしておきましょう。

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