
「決まる部屋を作ってくれ」と大家さんに言われたら不動産会社は間取りの変更から提案しますが恐らくたいていの大家さんはそこまでの予算はないでしょう。予算が無いなりのコストパフォーマンスのある小規模リフォームとはどんなものがあるのか。
成約率を上げる為の部屋作りなら直にお客さんと触れ合っている不動産屋さんの提案通りにするのが無難です。
オーソドックスな例だと2DKの部屋を1LDKにしたり、3DKの部屋を2LDKにしたりまずは需要のある間取りに改装するのが手始めかと思います。
しかし間取り変更に伴う付帯工事の見積金額に腰を抜かしてしまうオーナーさんも少なくありません。
やりたいけどやるお金が無い。だから何もやらなくていいと思うのは諦めが早いかと思います。
自分がオーナーだったら
不動産屋は予算度外視で自分達の理想の部屋を作りたがるのでその改修費用が高くなるのは当然です。
その提案の良し悪しは別として、自分がその物件のオーナーだったらそこまでお金を掛けて改装するかと聞かれたら答えはNOです。
もちろん物件の状態によりきりですが、仮に築10年~15年前後位までの一般的なアパートだったら入居の確約が無い限り大きな予算を使った内装リフォームはしないでしょう。
私なら予算が取れない時は内見時に印象を良くすることだけを考えて必用最低限の場所しか手を入れません。
自分が本当に取り入れたいと思っている設備やサービスはなにも予算が無い時にやらなくても予算がある時にやればいいのです。
では必用最低限の場所とはどんなところか?限られた予算を効率よく使いたい方はご参考にしてみてください。
キッチンは女性ウケのいいものに
内見時にチェックされる場所の鉄板といえばキッチン廻りですね。
これはもう今さら言わなくてもいい事かもしれませんが賃貸業を始めて間もない方もいらっしゃると思いますので念のため説明しておきます。
アパートやマンション、貸家は基本的に「女性に好かれる物件作り」を意識すればほぼ間違いありません。
そんな女性が真っ先に注目するのは言うまでもなくキッチンです。
新品に越した事はありませんがウケがいいのは綺麗なキッチン。
初めての一人暮らしや、同棲、結婚などこれから夢膨らむ女性の心境を想像してみてください。
そのような心境を満たすあるいは満たしてくれそうな綺麗なキッチンがあるとポイントはかなり高くなります。
例えば備え付けコンロの新しかったり嬉しい機能が充実していると営業マンが何も言わなくても物件の魅力は深まります。
設備投資が出来ない時はキッチン付近の収納扉を塗装やダイノックシートを貼ってお洒落な色合いにするなどといった工夫もいいでしょう。
収納扉の取っ手部分だってホームセンターやインターネットで多種多様な物が販売されています。
ドライバー1本有れば交換出来るので挑戦してみてはいかがでしょう。
トイレは清潔感を重視する
トイレもキッチンと同様に注目されます。
単刀直入に申し上げると1番好評なのは綺麗な便器+新品のウォッシュレットです。
入居者入れ替えの度に便器を入れ替える必要はありませんがせめてウォッシュレットは新しく入れ替えた方が断然にいいですよ。
一昔前はウォッシュレット付きというワードだけでも喜ばれていましたが今は違います。
近年ではインターネットやテレビでウィルス感染についての特集が多く取り扱われており、他人が使った物に対しての警戒感が強くなっています。
これにより元々潔癖症じゃなかった人でさえウィルスや菌について過剰に反応しがちな世の中になっています。
誰が使っていたか分からないようなウォッシュレットを残すようなら撤去して掃除した便器のみにしておいた方がまだマシです。
予算があるようなら新しくウォッシュレットを取り付けてあげると案内時の印象は大幅にアップします。
また、私がよく提案していたのはトイレのクロス張替えです。
トイレは壁紙に汚れが飛び散ったり手洗い時に水がはねたりするせいか結構汚れます。
前入居者の使用感を無くす為にもトイレのクロスや床のクッションフロアーなど一新してしまった方が気持ちいいですよね。
浴室は低予算でもこれだけはやる
浴室は綺麗かどうかと、広さを確認する人が多いですね。
広さに関しては既に物件を所有されている方は大掛かりな改装工事をしない限り変えようがありません。
なので既存の浴室をいかに綺麗に見せるかがポイントとなります。
シーリングやゴムパッキンのカビ
不動産会社の依頼するハウスクリーニングの単価ではシーリングやゴムパッキンの頑固なカビ汚れまで綺麗に落としてくれないでしょう。
もしクリーニング清掃後の浴室にカビが残っているなら除去する事をおすすめします。
カビハイターをキッチンペーなどに染みこませてカビの発生しているシーリングやゴムパッキンのところに浸して半日以上置いた後、水で流すと結構綺麗になります。
キッチンペーパーの上にサランラップを被せて密閉すればカビ取り効果は更にアップします。
これで綺麗にならなければゴムパッキンの取替えやシーリングの打替えを業者に依頼してみてはいかがでしょう。
シャワーヘッド等のパーツ
シャワーヘッドは劣化していたり経年劣化で黄ばんでいませんか?
私がお客さんを案内して浴室で指摘されたことはパーツや部品の古さです。
それは黄ばみであり、細かな傷。
一見、賃貸なんだからそんなの仕方ないよと大家さんは思いがちですが逆にこういった細かい部品を新品に取替えるだけで第一印象はかなり違うのに勿体ないなと思っていました。
シャワーヘッドの他、シャワーホースや蛇口の吐水パイプ、止水栓などどれもホームセンターで揃う物ばかりです。
最近はYouTubeなどに交換方法などアップされているので少しのやる気さえあればDIY出来ます。
また、業者に単体依頼すると部品代+手間代で費用がかさみますが、内装工事の際に同時発注する事で手間代の部分を安く抑えられるはずです。
スイッチやコンセントは見栄え重視
平たく言うと先ほど説明した浴室と同じです。
スイッチやコンセント類といった電材系は時代の流れとともにデザインや見た目に古さを感じる事があります。
例えばクロス張替えして綺麗になった部屋もスイッチやコンセント類が黄ばんでいたり古くさかったら勿体なくないですか?
逆にクロスは張替えてなくてもスイッチやコンセント類が綺麗だと経験上お客さんの印象がいいです。
せめてスイッチカバーやコンセントカバーだけでも交換しましょう。これだけでも見た目が全く違います。
思い切ったリフォームが出来ない場合はこのような細かい部分を新しく交換する事だけでもやっておけば内見したお客さんの印象は変わります。
必用最低限の修繕で気を付けること
自分で簡単に出来る修繕もあると説明したのに矛盾していますが、気を付けること、それはDIY感を出さないことです。
丁寧に施工したから自分では仕上がりが綺麗だと思っていても他人が見たら微妙な仕上がりに見える事ってよくあります。
私が不動産業界に居た頃は何でも自分で内装を改装する器用な大家さんがいらっしゃいました。
しかし仕上がりが雑なのでお客さんが内見した時の反応は微妙でした。
お客さんの反応が微妙なのでやがて私達営業も案内や物件紹介を控え気味になってしまったのです。
もちろんその大家さんに「仕上がりが雑です」と言いにくくなるしまいでした。
だから今回記事に書いたDIYでも可能な修繕などは誰がやっても仕上がりに差が出ないものを紹介しました。
クロス張替え床のクッション張替えなどはやはりプロである業者さんに依頼する事をおすすめします。