戸建てオーナー初心者向け。自宅を貸すなら抑えておくべきポイントと心得。

貸主向け

使わなくなった自宅を有効利用したい。しかし安易に貸すのはおすすめ出来ません。自宅といえども立派な賃貸借契約であり人に貸すと民法上貸主としての責任も生じますのでまずは不動産屋に相談しにいくことをおすすめします。

近年、民泊など新しい個人宅ビジネスが話題になったせいもあり、貸家に対する考え方が甘くなってきたような気がします。

私は民泊についての知識はないのでよく分かりませんが基本的に民泊とは一時的な宿泊所を提供する対価に宿泊料を受領するものだと理解しています。

なので不動産業界における貸家業とその性質は根本的に違いますよね。

しかし少なからず貸家は個人でも簡単にできるのかっていう事に興味のある方も増えていると思いますので今回は貸家についてお話したいと思います。

個人同士での貸し借りは危険?

アパートやマンションのように戸数が多い訳ではないし、自分の家を貸すくらい自分で出来るのではないかと考える人も多いでしょう。

正直、信用出来る友人や親兄弟、親戚くらいなら口頭契約で毎月の家賃さえ決めてしまえば貸しても特に問題はないかと思います。

しかし他人に個人で直接貸すのは何かトラブルがあった時に個人では解決のしようがないケースに陥ります。

不動産屋には直接貸している借主が気に入らないから追い出してほしいとか、トラブルになったから助けてほしいという相談もよく来ます。

始めは順調な貸し借りもいつかはトラブルに発展するものです。

だいたい直接貸し借りをしていてトラブルになっているケースでは口頭契約で済ませていたり、契約書を交わしていてもその契約書の内容はインターネットからダウンロードしたものをそのまま使っているような簡素な契約だったりします。

賃貸借契約は最初が肝心です。トラブルが生じて途中から不動産屋が間に入ってトラブルを解決出来るものもありますが難しい場合もあります。

不動産関係のトラブルは金銭はもちろん、土地や建物の権利関係をも動かすような深刻でダークなものが多いのです。

その上トラブルが長引けばそのニオイを嗅ぎ付けて厄介な人物も寄ってきます。こうなると個人での解決は難しくなります。

このように業界人から言わせると貸家といえども個人同士で出来るほど簡単な契約ではないのです。

これから貸家業を始めたいと思っている方はその道のプロである不動産屋さんに相談して物件の媒介や管理をお願いすることをおすすめします。

不動産屋に行く前に予備知識をつけよう

貸家を始めたい方は不動産屋さんに相談しに行く前にある程度の予備知識を入れてからでも遅くないでしょう。

親切丁寧な不動産屋さんは貸家に出す事とはどういう事か、詳しく説明してくれますがそうでない場合、何も知らずに貸家の募集を始めるのは危険です。

アパート経営の経験が無い方は特に知ってもらいたいのですが、貸家といえども一度貸してしまえば立派な貸主となると同時に借地借家法という民法の特別法に基づいた貸主としての義務を生じる事になります。

とはいえ不動産屋さんに任せればそこまで難しい事はありません。

今回は貸家に関する大家さんの最低限の予備知識としてご参考にしていただけるよう記事を書いてみました。

将来使う予定がある場合は定期借家契約で

私がもし貸家を希望している方から相談を受けたら、まず確認するのは将来的にその家を使う予定があるのか否かです。

普通に物件を貸すと原則、自己都合による大家さんからの解約は出来ません。

そろそろ使いたいから次の更新契約はしないよっていう事は出来ないのが通常の借家契約です。

しかしこれを定期借家契約という契約方式で締結すれば、予め決められた期間で賃貸借契約は終了させることが出来ます。

賃貸借契約は一度終了しますが、貸主・借主双方が新たに契約を希望すれば当然、また新たに賃貸借契約(再契約とも呼ばれます)を結べます。

例えば3年間の定期借家契約では3年後にどんな事情があっても必ず契約は終了します。

この契約方式はどとらかというと借主にはメリットがなく、貸主にメリットがある契約方式といえます。

出張などで数年間、家を空けたりして必ず戻ってくるようならばその期間だけ賃貸して家賃収入を得たい方にはおすすめの契約方式です。

この普通借家契約で貸すのか、定期借家契約で貸すのかは入居者が決定してから決めるのではなく、物件募集の時点で明示しなければならないのでよく考えてから決めましょう。

ちなみに先ほどもお話したように定期借家契約は借主にとってはメリットが無い為、客付けがしにくい特徴もある事を理解しておきましょう。

物件に対する思い入れは捨てる

元々住んでいた自分の家の場合、初めから賃貸専用物件として建てたアパートやマンションには無い特別な思い入れがあるものです。

大事に使っていたことや家族との思い出など多かれ少なかれ家に対する思いは人それぞれにあります。

例えばキッチンのシンク廻りは傷が付かないように綺麗に使っていた。

お風呂場の掃除はまめに掃除していたので綺麗だ。

フローロングもなるべく傷が付かないように気を使っていた。

夢のマイホームを実費で購入した人ならばこのように大事に家を使う事はむしろ当然です。

しかし貸家として募集する場合はこのような思い入れは捨てて、一つの投資物件として見ることを求められます。

借主が大事に使うとは限らない

物件を借りる以上、借主には善管注意義務が生じるとはいえ大家さん以上の気を使って物件を使用する人はあまりいません。

掃除をまめにする人やしない人、設備を丁寧に扱う人や雑に扱う人などとにかく使う人によって家の状態は変わってきます。

しかし借主に必要最低限のこと以外は細かく家の使い方を指示したりする事は出来ません。

つまりは自分の家を貸家として募集する場合は、今以上に内装が傷んだり設備を雑に扱われても仕方ないという諦めが必要です。

住宅ローンは完済しておく

家賃を住宅ローンに充てる大家さんもいらっしゃいますがそのような方法だと貸家の不動産経営はうまくいかないでしょう。

家賃をローンの支払いのあてにしてしまうと空室期間にローンを支払えなくなります。

いつ空室になるか分からないような家賃を住宅ローンのあてにするような考えは無謀です。

でもアパート経営している人は毎月家賃で返済しているんじゃないの?と思うかもしれませんがアパートやマンションの場合は戸数が多いので別です。

空室が出ても全戸が空かない限り家賃の収入が無くなるというリスクはほぼありません。

それに収支計画は常時満室を想定するのではなく、ある程度の空室がある状態での収支シュミレーションをしているので1棟1戸の貸家と比べてリスクが低いと言えます。

貸家は1棟1戸であり、空室になった時から家賃収入が全く無くなるという事を頭に入れておきましょう。

貸家を賃貸に出す場合、順序としては①住宅ローンの完済 ②リフォーム代を貯める ③リフォームしてから募集するといった順序が一般的で無理のない計画であるといえます。

ボロ家なら貸さずに売却

住宅ローンは完済しているけど結構古いんだけど借りる人いるかな?っていう相談もよくあります。

結果からいうと古くても家賃や条件がそれ相応のものであれば借り手はつきます。

しかし古いからといって低家賃で安易に貸してしまうと家賃収入どころか修繕貧乏になってしまう恐れがあります。

例えば古い家にありがちな雨漏りは原則大家さんの負担で直さなければなりません。

雨漏りも自分が住んでいた時は雨風がひどい時に2階の天井が少し浸みるくらいだったので気にしなかったものも、家賃を払っている入居者がいればそれはきちんと対応しなければなりません。

それにこの雨漏りはよくありがちにして、一番やっかいなクレームなんです。

雨漏りは屋根の上に上がってもどの部分から雨漏れしているか特定出来ないケースがほとんどで、業者さんもあたりをつけて補修する以外に方法はありません。

それに一度補修したからといって必ず雨漏りが止まる保証はなく、何度も補修が必要になるケースはよくあります。

大家さんは雨漏りのクレームを受ける度に業者に手間代を払って補修を依頼する訳ですがこれが何度も続くと相当な出費になります。

結局、止まらない雨漏りは屋根の葺替えでしか対処出来ない事になります。

雨漏り以外でもあれが調子悪い、これが壊れたなど色々と問題が生じてその都度対応すると毎月の低家賃ではとてもじゃないけど合わなくなります。

いくら古くて安い賃料でも、貸主の修繕義務というのはついてまわりますので大規模なリフォームを行う予算が無いのであれば逆に売却した方がいいです。

予算が無い、直す費用も無いという状況の方は大家業には向いていません。

例え貸家1軒の大家業であっても不動産経営者です。経営を始める際は余裕を持った資金と計画が必要な事を忘れてはなりません。

貸家を探すファミリー層のよくある条件

家を賃貸に出す前に自分の家は果たしてどの程度需要があるのか把握してみましょう。

不動産である以上、建物の立地条件は動かす事は出来ませんが需要のある条件をクリアーする事で貸家としての価値をアップする事が出来ます。

ここでは貸家を探しているお客さんがよく出す定番の条件をお教えしたいと思います。

駐車場は2台分

貸家を探すファミリー層の条件で必須となりつつあるのが駐車場2台分のスペースが敷地内にあるかどうかです。

これは今や常識ですのでもし現状、駐車場が1台分しかなければ駐車場を拡張してから募集する事をおすすめします。

また、駐車場スペースがあっても何も舗装されていないのはNGです。駐車スペースはアスファルトやコンクリートなどで舗装されている事が条件です。

浴室はゆったり1坪風呂

更にお風呂は1坪風呂が人気があります。

少し古い家だとアパートのような0.75坪風呂が主流でしたが今や1坪風呂が主流の時代です。

貸家といえども一国一城の主を堪能してもらうために足を伸ばせる1坪風呂が喜ばれます。

内外装リフォーム済み

長く借りる予定の多い戸建ての入居者は物件を探す時に外観の見た目を気にします。

賃貸に出す前に外装のリフォームを行う事で集客に有利になります。

また、内装も同じく短期的ではなく長期的に借りたいからこそ真新しい内装が好まれます。

最低限、クロスの張替えや畳の新調をし、予算次第では女性の喜ぶ水廻りの設備投資をする事で印象がグッとよくなります。

庭はシンプルで殺風景な方がよい

戸建てを借りる人にとって庭があるのは一つの醍醐味です。

しかしよかれと思って花壇や植栽などを残したまま募集した場合、逆に嫌がられる要因にもなります。

例えば庭にある立派な植栽については「これ誰が剪定するんですか?」とかよく聞かれます。

大家さんからすれば、貸している間は勝手に庭に入る訳にもいないのでそれは入居者に手入してもらうのが当然かと思いきや、入居者からするとそれは面倒だと感じるのです。

戸建てを借りる入居者の方は、大家さんが思っている以上に敷地内の手入れや掃除を面倒臭がる人もいます。

ひどい方は庭の雑草は誰が抜くんですか?と質問してくる人がいるくらいです。

元々、何もない庭に入居者がガーデニングするなら自分で手入れするのですが、どうやら自分じゃなくて大家さんが元々育てていた植栽やガーデニングに興味が無い人が多いようなのです。

確かに雑草くらい自分で抜いてねっていう約束をすればそれまでの話ですが極論からいうと、庭や敷地内はほぼ何も無い方が印象がよく借り手がつきやすいと言えます。

庭に高額な植栽があるとそれだけで入居者は気疲れするしお子さんがいるファミリー層では尚更です。

入居者が余計な気を使わずに過ごしてもらう為に、敷地内や庭についても目を向けてみるといいでしょう。

貸家の特徴を活かした上手な不動産経営を

貸家についてお話したい内容はまだまだありますが、少しでも理解を深めていただく事はできたでしょうか。

貸家は始めるのは簡単ですが、アパートやマンションの経営と一緒で真剣にやる必要があるという事だけでもご理解いただけたらなと思います。

貸家は入居者が決定するまで時間がかかるものですが、一度入居者が決定すると長く借りてもらえる特徴を併せ持つのが貸家です。

善良な借主さんに長く借りてもらう為にはそのような人を惹きつけるような魅力ある物件作りが求められます。

慌てずにしっかりと用意や準備を整えてから物件の募集を始めましょう。

コメント

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました