『若い時の苦労は買ってでもせよ』という言葉を信じて疑わず真面目に苦労した末路は鎖で繋がれた上司の飼い犬になる説。

「上司が嫌い」・「会社を辞めたい」そう思いながらも毎日仕事に行く理由を考えたことがありますか?お金の為とはいえ、それでもなぜ仕事に行くのか?もしかしたら「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉を気にしているのではないでしょうか。

上司や年上のお客様によく「若い時の苦労は買ってでもせよ」と言われますがどういう意味でしょうか?

読んで字のごとくですが、若いうちは楽をしないで積極的に挑戦や苦労をして人生における貴重な経験を今のうちにしましょう。という感じです。

挑戦や苦労、困難を乗り越えることは社会生活に限らずその後の人生においてあなたにとって非常に貴重な経験となり自信に繋がるのでそのような苦労は若い時にしておくべきと言われています。

私は職場での上司との人間関係や営業ノルマに今、辛さを感じていますがやはり我慢して乗り越えるべきでしょうか?

無理をする必要はありませんが困難を乗り越える度に自然と人間として成長したり自分の自信に繋がることは間違いありません。しかし何でもかんでもこの言葉の意味が正解だとは限りません

買ってでもするべき正しい「苦労」とは

職場において苦労して身につくスキルといえば代表的なのがクレーム対応です。

クレームを対応している時は憂鬱ですが、そのクレームを解決出来るとそれは自信に繋がります。今後少なくとも似たようなクレームで苦しむことがないよう予め対策が出来るようになります。

多くのクレームは事前に防ぐことが出来ます。私ならクレーム対応の経験を積むことよりもそもそもクレーム自体を発生させない為にはどうしたらよいかを勉強します。

ここで言う買ってもする『苦労』とはクレーム対応の苦労ではなく、クレーム対応方法や発生させない為の勉強や考えることの『苦労』と考えるべきです。

本屋さんへ行けばクレーム対応に関する本がたくさんありますので年齢が若く仕事経験の浅い人はそのビジネス書を買っても勉強するべきということです。

なるほど、クレームをたくさん対応する苦労ではなく、勉強をする苦労を買えということですね。

はい、営業さんも同じですよ。『数打てば当たる』作戦で休日返上でただひたすら飛込み営業を続ける苦労ではないですよ。それはただ体力とメンタルを消耗しているだけです。

昭和な考えが抜けない上司が決まって言う言葉が、「数打てば当たるから行ってなんぼ」。

たしかに営業経験を積んだり、営業現場そのものの雰囲気を味わうため、あくまで勉強のために飛込み営業に進んで行くことは必要なことです。

しかし会社としての作戦もなく、武器を持たされる訳でもなく、ただ無鉄砲に無計画にひたすら飛込み営業に行くのは時間と労力の無駄です。

これはしなくてもいい苦労です。

本当にするべき『苦労』とは飛込み営業に関する勉強をする『苦労』です。その為には飛込み営業に関するビジネス書を『買ってでも』勉強するべきです。

なるほど、『買ってでも苦労しろ』という意味はそう捉えるべきなのですね。

しなくてもいい「苦労」はしない

買ってもするべき『苦労』についてご理解いただけたでしょうか?

これはあくまで私の持論であり、当時『若い時の苦労は買ってでもせよ』の言葉を考えた人が意図したものとは違うかもしれませんのでその点はご理解ください。

さて時は令和。時代は変わりましたが、それでも上司に『若い時の苦労は買ってでもせよ』と言われ次々に無理難題な困難や面倒な仕事を押し付けられる若い方も多いでしょう。

私は少なくとも今日まで自分が成長する為には必要な苦労や困難だと信じて疑わなかったです。

「若いうちは苦労しろ」と言っている人ほど若い時に大した苦労していない人が多いかもしれませんね。

『若い時の苦労は買ってでもせよ』という言葉は自分がやりたくない仕事を若い人にやらせたり、自分の過去を過度に美化している人が実は多かったりします。

結局は若い人の重い腰を上げさせる為の決まり文句に使っている人なんかもいるのではと疑ってしまいます。

1ヵ月休まず飛込み営業を続けて1件の契約を獲得した人と、ビジネス書で営業イロハを勉強して1週間で1件契約を獲得できた人、どちらが優秀なのかは言うまでもありません。

ガッツと根性で社会を生き抜く時代は終わりました。今の時代はいかに効率よく楽をして仕事をするかです。今はむしろ仕事を休めない人は仕事が出来ないという評価が一般的です。

しなくてもいい「苦労」はしないでください。今、自分とってするべき「苦労」は何か?これを真剣に考えて実行する必要はあります。

「若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉を悪用して無理難題を押し付ける上司の言いなりになってはなりません。

若い時にしなくてもいい『苦労』を重ねてしまうと

とはいえ、私は若い時に人並み以上の『苦労』をしましたし、今思えば上司の言いなりでした。ここからは私の実体験である『若い時にしなくてもいい苦労をしてしまった人の末路』をお話しましょう。

え~!意外です。なぜそんなことになってしまったのですか?

学生時代にスポーツをやっていたのが原因です。当時は『先輩の言うことが絶対』の時代でしたから。その感覚が抜けないまま社会に出てしまったのがよくなかったのでしょう。

体育会系気質な営業さんは就職活動でも印象がいい、また、就職後も職場の上司に気に入られやすい特徴があります。

今思えば体育会系の営業さんが気に入られるのは単純に『言うことをきくから』なのでしょう。

多少無理難題な指示や命令をしても体育会系気質の営業さんは疑問を持つことなく、とりあえず言われたことをやり始めてしまうんです。

月間30件の契約ノルマを与えらても「分かりました」と承諾してしまっていました。達成できなかった時のことを考えていなかったのでしょう。

え、1ヵ月に30件契約って毎日1件契約しないと達成出来ませんよね・・・

はい、だから到底無理なノルマだったのです。そもそも無理難題だったのですよね。今思えば「物理的に無理です」と言えばよかったです。

このように無理難題な指示でも若いときにするべき苦労だと思ってしなくてもいい苦労を重ねると次のようになってきます。

上司の指示や命令がエスカレートしてくる

学生時代の体育会系気質なまま社会に出てしまうと上司に気に入られることもあるでしょう。

しかし何を言っても肯定的な返事をするので、そのうち物理的にも無理難題な指示やノルマを課されることが増えてきます

無理難題なノルマなので当然、未達成の日々が続きます。そして上司からは「出来ると言っただろ」とか「言い訳は聞きたくない。行動で示せ」などと圧力をかけられるようになります。

最初は冗談半分で言っていたはずの上司も、その指示や命令、ノルマ、詰めがエスカレートしてしまいます。

健康だったのに体調を崩すようになる

私の上司は「営業は結果が全て」が口癖の人でした。

休日返上で営業に行ってもどれだけ頑張っても、その経過は評価されることもなく、労いの言葉をかけられることもなかったのです。

しかも毎日夜遅くまでパソコンで遊んでるだけの上司よりも先に帰れないというサービス残業が続き、ストレスも溜まる日々です。

その結果、ついに私は健康診断で複数の項目で引っ掛かるようになってしまいました。健康体質だったはずなのに、病院の先生からはストレスが原因と言われました。

そのうえ上司に飲みに誘われれば断ることも出来ずに毎日慢性的な睡眠不足状態が続きました。

それでもやっととれた休日の日には早々に「目標達成できそうなの?休んで大丈夫なの?」と上司から電話がかかってくる始末です。

それブラックじゃないですか!ブラック企業決定ですね。

今考えるとブラック会社の特徴がほとんどあてはまるような上司や会社でしたね。

とにかく『若い時は買ってでも苦労せよ』の言葉を信じて頑張ったら今までは超健康だったのに不健康になってしまったということです。

ストレスは本当にこわいですよ。

まるで鎖に繋がれた飼い犬になる

更にその状況が続くとまるで鎖で繋がれた上司の飼い犬のようになってしまいます。

うわ~なんか想像出来るからこわいですね。

休めない・寝れない日々が続き疲労困ぱいな状態が続き体力的に弱っているところに、上司から詰められたり、怒られたりして精神的に追い詰められるとやがて気力が無くなってきます。

気力が無くなると当然、仕事に身が入らなくなります。当然営業成績も落ち込み、更に上司から詰められたり怒られたりします。

やがて「やる気がないのか」「お前は仕事が出来ない」「どうしようもない」といった罵声も浴びるようになります。

やがて毎日はこうなります。朝は出社後、上司から逃げるように外出します。そして契約案件もなく夕方に戻るときは怯えながら会社に戻る。そんな日々が続きます。

上司には「今日はどこに行ってたんだ?」と毎回聞かれます。

その姿はまるで飼い犬です。

こうなってしまうと自分でも気付かないうちに精神状態が悪化しています。これでは転職先を探す気力さえ無くなりますので職場を変えることすら自分出来ない、まるで鎖で繋がれた上司の飼い犬状態になります。

転職先を探す気力が無いのではなく、自己嫌悪に陥ります。

毎日上司から「お前は仕事が出来ない」とか「うちの会社で通用しない人間はどの会社へ転職しても使えない」などと罵声を浴びせられているので本当にどこに転職しても自分は通用しないと誤解し、完全に自信を喪失してしまうのです。

上司は嫌いだけど生活していくためには我慢して言う事を聞き続けるしか選択肢はない。やがてそこまで思い詰めてしまいます。

嫌いな飼い主に、餌をもらうために嫌々ながらも言うことをきく犬のようですね。

上司の飼い犬にならない為には

決して他人事ではありませんよ。洗脳は自分の知らない間に洗脳されてしまうものですからね。社会人ならば誰でも上司や会社の飼い犬になってしまう可能性はあります

上司の飼い犬にならない為には、洗脳されない状態を維持することです。

それは体力的にも精神的にも弱らないこと

弱ると気力も思考力も低下してしまい、転職活動さえする気力も無くなりそのブラックな職場でボロ雑巾のように扱われやがて奴隷化されます。

それが原因で病気になったり体調を崩しても誰も責任をとってくれないし、一度からだやメンタルを壊すとなかなか元に戻れなくなります。

無理難題を言う・感情の起伏が激しい・怒ると怖いなどといった上司には気を付けましょう。他の会社で通用しないのはあなたではなく上司です。絶対に洗脳されないようにしてくださいね。

精神状態が悪化する自分にはなかなか気付けません。

精神状態が悪化すると気力や思考力が低下し、次の転職先を探すことさえ自力で出来なくなる恐れがありますので「この上司ちょっとおかしいな」と感じた時は異動願いや早めに転職活動を始めることが大切です。

今はとりあえず登録するだけでスカウトを待つ転職サイトもありますよね。自分が転職希望者として登録していることを公開されたくない会社を指定することも出来ますので、最悪の場合を考えて会社や取引先には非公開で転職サイトに登録だけでも済ませておくとよいでしょう。

『若い時の苦労は買ってでもせよ』説のまとめ

今回は個人的な体験談も話してしまったのでつい話し過ぎてしまいまして失礼致しました。それでは今回のテーマについてポイントをまとめてみましょう。

〇若い時にするべき『苦労』としなくてもいい『苦労』がある

〇若い時にしなくてもいい『苦労』をしてもいいことはない

〇なんでもかんでも『苦労』をすると上司の飼い犬になる恐れがある

大事なのは自分の体調管理ですね。休みはしっかりと休める人になります。

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