営業をしているとどうしても下の立場から始まることが多いのでお客様からのクレームがあるとどうしても立場が弱くなりがちです。営業に特化したいのにクレーム対応で頭がいっぱいで悩んでいる方はクレームについて少し学んでその対策方法を考えてみてはいかがでしょう。
すみません、ご相談なのですが最近クレームの対応のボリュームが増えて営業どころじゃありません。
営業をやりながらのクレーム対応はメンタル的にきついですよね。あなたの会社はクレーム担当窓口(お問合せ)は専用に設けてはいないですか?
一応ありますが私が担当で契約したお客様なので当然私に電話が掛かってきますし、クレーム担当窓口に掛けてもらっても結局、最終的には私が対応している状況です。
営業職ではクレームは付きものです。
クレームには単に小さな疑問や質問で終わるものもあれば、解決に労力や時間のかかる大きなクレームまで様々です。
また、クレーム対応をしていると精神的にもストレスが掛かり本来の仕事が身に入らず負のスパイラルに陥ってしまうこともしばしばあります。
また、営業職の場合、契約時に顔を合わせて担当するのでそのお客様からのクレームが発生した場合、自分で対応するしかない状況になることが多いです。
私も営業マン時代は人並み以上の苦労はしましたよ。特にクレームが重なった時は相当きついですよね、分かります。それでは今回はクレーム対応をテーマにお話しましょう。
クレーム対応しながらの営業ノルマはきつい
クレーム対応専門部署で働いている人もきついですが、営業ノルマを抱えながらクレーム対応する人はもっときついです。
クレーム対応とはお客様の要望や主張、不満や怒りに対してその対応をすることであり正直なところクレームに時間を費やしても基本的に自分の営業成績に繋がりません。
正直、営業さんにとってクレーム対応している時間は無駄だし何より時間がもったいないです。
それに営業職だと本来の営業ノルマが重くのしかかっている為、クレーム対応をしながらの営業業務は精神的にきつくなることは言うまでもありません。
そうなんです。クレーム対応をしているとそのことで頭がいっぱいになって本来の営業をやる気が起きません・・・
私もそうでしたよ、帰宅しても休日の日でもクレームのことが頭から離れずストレスでした。自分を守る為にはクレームは発生させない・長引かせないを徹底することが大切です。
クレームを発生させない為には
まずはクレームを発生させない為にはどうしたらよいのか?を考えます。
実はクレームが発生するのは全てがお客様に原因があるとは限らず、営業さんに原因があることもあるのです。
初期クレームを呼び寄せてしまう決まり文句を使わない
まずは初期クレームを呼び寄せてしまう決まり文句というものがあります。
ひぃえ~!恐ろしいですね、なんですかそれは??
これは営業さんに多いのですが契約をした喜びのあまりホッとしてお客様との別れ際に「何かあったらすぐに連絡くださいね」と言ってしまうことです。
決まり文句のように使ってしまっているこの言葉があなたの首を絞めることになることがあります。
契約を担当した営業さんは、良かれと思ってこの言葉を使う人が多いのですがこの言葉に甘えてちょっとしたことでもすぐ連絡してくるようになってしまいます。
始めは大したことない電話でも徐々に「折り返しの電話が遅い」とか「ちょっと来てくれる?」とかだんだん要望が大きくなってきます。
たしかに契約する時は大人しくて優しかった人が契約後に変貌したお客様はいましたね!
始めは普通お客様でも変貌してよ要求が高くなったり無理難題を言ってくるようになるとそれはあなたの中でクレーマーと化してしまいますよね。
そもそも契約した直後に「何かあったらすぐに連絡くださいね」という言葉は必要ありません。
契約後に疑義が生じないよう納得して契約してもらう為にお互いの条件や商材の説明をするので「何かあったら連絡ください」ではなく「ご納得いただけましたでしょうか」です。
契約するということはお客様も商材の内容に納得したということです。
本来質問や要望があるのならば契約前に確認してお互いに出来る・出来ないを確認すべきです。
たしかに「契約してからそんなこと言われても・・・」と思ったことはありますね。
もちろん漏れなく十分に商材を説明しなかった場合はあなたにも責任はありますが、説明を十分にして納得して契約してもらえばあなたに落ち度はありません。
それにもかかわらず「何かあったらすぐに連絡してください」と言うのはお客様を甘やかすことになってしまいます。
お客様からするとそんなことを言われると「内容はあやふやだけどとりあえず何かあったら連絡すれば対応してくれそうだし、いいか」と思ってしまいます。
契約直前や直後は必ず「質問や疑問はありませんか?大丈夫ですね?」と念を押すべきです。
これを徹底するだけで初期クレームの量は減ります。その為にはあなたが商材をよく理解し、会社として出来ること・出来ないことやお客様にとってのメリット・デメリットを説明出来るようになることが必須スキルとなります。
また、よくある初期クレームはあると思うので契約後に予想されるクレームについては契約時にきちんと説明しておきましょう。
お客様は立場が上に見えるかもしれませんが対価に対してこちらも商材を提供していますので、説明を十分にしていれば立場は同等です。
「何も問題はないので契約後にクレームの電話とかやめてくださいね」と言わんばかりの毅然とした態度でお客様と別れるくらいがちょうどいいのです。
よくあるクレーム事例を先に説明する
先程の内容と重複する点がありますがクレームを発生させない為にはよくあるクレーム事例を先に説明してしまうことです。
初めてあなたの会社の商材を契約するお客様は使ってみないと分からない・買ってみないと分からないことがあります。
例えばあなたがきつい酸味のあるレモンケーキをお客様に販売するとします。
あなたは「柔らかいレモンケーキです」と説明してお客様に購入してもらってもそれを食べたお客様から「こんなに酸味が強いと思わなかった!」とクレームを付けられる時があります。
この場合、今後あなたは「結構酸味のあるレモンケーキですが宜しければ」と一言添えればクレームを事前に防げます。
また、ソーラーパネルを設置することで「年間4割上の電気代を節約出来ます」と言って契約してもお客様の電気の使い方によっては「電気代あんまり変わらないじゃないか!」と言われるのでその場合は「電気の使い方にもよりますが」と一言添えるべきです。
十分な説明なしに「契約書に書いてる」という対応は通用しません。事前に十分な説明、特にデメリットから優先して説明しましょう。
でもデメリットを言うとそもそも売れなくなりませんか?
クレームを発生させない為にはデメリットの説明は必要です。それに先にデメリットを言った後にメリットを説明することによって商材の印象も良くなります。
そもそもクレームを発生させない為にはクレームになりそうなことを予想し、それを予め説明することによってその場で解決させてしまうことです。
クレーム対応を減らし身を軽くする為には
初期クレームを減らすことでクレームを発生させないことを心掛けてもクレーム対応しなければならない時もあります。
社会に出れば大なり小なりクレーム対応はよくありますがそのせいで本来の仕事やプライベートにまで影響されては身が持ちません。
次にクレームを受けてしまった時に出来るだけ身軽になる方法についてお話します。
クレームが発生したその日に解決する
クレーム対応で苦しまない為には基本的なルールがあります。
それはクレームは発生したその日に解決することです。
クレームとは言ってみればお客様の不満や苦情です。
人の不満や苦情というのは時間が経てば経つほど大きくなっていくものです。
最初は小さなクレームだったとしても折り返しの連絡が遅かったり、日をまたいでしまったりするとクレーム自体が大きくなったり「連絡が遅い」などといいた二次クレームにもなりかねません。
また、クレーム対応の方法について考えている間に忙しい営業さんだとクレームを受けたこと自体うっかり忘れてしまう人もいます。
クレーム対応は時間を掛けずに解決すれば最小限のダメージで済みますが時間を掛けると手に負えなくなるほど大きくなったりお客様が悪知恵を働く場合もあるので時間勝負となります。
また、クレームとともに要求があった場合はその場で出来ることと、出来ないことをはっきりさせることが重要です。
クレームや要求に対して出来ないことは出来ないと毅然とした態度を示すことによってそのお客様にそれ以上の要求には応じないというけん制効果も見込めるからです。
立場上解決出来ない事案は上司に即相談
クレーム内容によってはそのお客様の要望に応えられるかどうか、会社として出来るのか出来ないのかあなたの立場では判断出来ない場合があります。
そのような時にあなたの独断で判断してお客様に返事をしないようにしましょう。
私の説明不足なので上司に相談しずらいです・・・
洗脳されないでください。たちが悪いクレーマーに当たると、難癖を付けてあたかもあなたが悪いんだという方向に話を持っていく傾向があります。あなたに権限のないことは独断で判断しないでください。
立場上権限がなさそうな営業さんに無理難題な要求をするお客様はクレーマーかもしれません。
そうでなくても原則、権限のないことは実行してはなりませんし、何よりホウレンソウに基づきクレームを受けた時点で上司に報告するべきです。
そしてクレーマーの要求内容に対してどのような対応をとればいいか指示を仰ぎましょう。
あなたにとっては強敵なクレーマーに見えても経験のある上司にとってはあるあるクレーマーかもしれません。上司に相談して一緒に考えることで「一人で抱え込まない」ことが大切です。
たちの悪いクレーマーの対応をする時は、その要求に対して返答する時にあなたではなくあくまで会社としての返答をすることをアピールします。
過度な要求に対して電話口で「それは出来ません」とあなたがその場で返答するのではなく、「会社に確認します」とワンクッション入れることでクレーマー対会社の構造を作り上げるのです。
営業さん個人で対応していると最終的にはクレーマーに「お前自腹で弁償するしかないぞ」と迫る悪質な輩もいます。
非常にストレスなので少額なら会社に迷惑かけずにこれで解決出来るなら払った方が楽かも。と思ってしまうのですが。
それは駄目ですね。あなたは会社の人間なのであなたがやった行為は会社がやった行為になってしまいます。会社の許可なく悪質クレーマーに屈してはなりません。
それにそんな責任の取り方をしてもクレームは終わらないでしょう。一度要求に応えてしまったらまた同じような要求をしてきます。前例を作ってはいけません。それにあなたに不当に金銭を要求して支払わせることになれは恐喝罪に該当する可能性が大きいですからね。犯罪に屈してはなりませんよ。
クレームの相談になかなか応じてもらいえない上司もなかにはいるでしょう。
そのような場合は「私には権限がないので会社として対応方法を指示してください」と強く聞くか、それでも駄目なら上司の更に上の役職者の方に事情を説明して相談することをおすすめします。
また、会社では顧問弁護士が居る場合もありますので相談出来る弁護士が居ないか確認もしておくといいでしょう。
クレーム対応の時系列を残しておく
クレーム対応している時はいつ・誰と・どんな話をしたかを細かく時系列を記録しておきましょう。
トラブルに発展した時は言った・言わないの水掛け論になりがちなのでそのクレーマーとのやりとりを記録しておくことによって曖昧な記憶で対応することはなく常に毅然とした態度で対応することが出来きます。
時系列を残しておくとあなた以外の人が対応することも可能になります。
それに時系列の記録は最悪、裁判に発展しても担当弁護士さんの重要な参考資料にもなるしトラブルの内容の説明もしやすくなります。
クレーム対応における時系列を残すことで後に時系列を眺めているとクレーマーの矛盾点に気付いたり解決の突破口がひらめくこともあります。
悪質なクレーマーに対しては法律知識で対応する
中には悪質なクレーマーもいます。
こういったクレーマーは真摯に対応しても納得することはないので一貫して毅然とした態度で対応しなくてはなりません。
度が過ぎた行為があればそれに臆すれば相手の思うツボなのである程度の法律知識を勉強しておきましょう。
例えばお店や会社に怒鳴りこみにきて他のお客様に迷惑を掛けたり営業活動お妨害をした場合は威力業務妨害罪が成立する可能性があります。
先程教えてもらった内容だと不当に金銭を要求して支払わされた場合は恐喝罪に該当する可能性もあるのですよね。
そうですね、また相手にされないと分かれば根拠のないデマを流し始めて嫌がらせをするクレーマーもいますがそれは偽計業務妨害罪が成立する可能性があります。
自分に関係ありそうな法律知識を学び、武装することも最終的には自分の身を守る術となります。
しかし以上にあげた罪にあたる可能性のある行動をするクレーマーはすでに一線を越え、度が過ぎているのであなた個人では解決が困難と思われますので速やかに上司や会社、顧問弁護士に相談することをおすすめします。
営業さんのクレム対応に関するまとめ
少しは参考になりましたでしょうか?クレームは発生させないことが大切です。その為には日頃どのような防御策をとればいいのか、どんな事前説明が必要なのかをあなたの仕事に置き換えて考えてみることが大切です。それでは今回のお話のポイントをまとめます。
〇初期クレームが発生しやすい決まり文句は使わない
〇予測されるクレームは事前に説明、納得してもらってから契約する
〇クレームが発生したら即時解決が基本
〇自分で解決出来ないクレームは言いずらくても上司に相談
〇クレーム対応の時系列を記録しておく
〇関係する法律知識を武装しておく
クレームで悩んでいるのは私だけじゃなかったのですね。
クレームは大なり小なり誰でも直面しています。年齢を重ねるうち、経験を積むうちにクレーム対応も上手になるものですが本記事でお話したことを実行・継続すればクレームを受けにくい営業さんになれます。
毎回クレーム対応の相談に応じてくれなかったり「そんなのお前が悪いんだから自分の尻ぬぐいは自分でやれ」と言われるような会社はブラック企業の可能性がありますので転職活動も視野に入れることをおすすめします。